PayPay for Business
加盟店向けファイナンスサービスの新規立ち上げ
PayPay資金調達
ROLE
UI/UX Design
PROJECT DURATION
9ヶ月
TEAM
Design, Dev, PM, Data, Legal
PLATFORM
Web, App
Overview
「PayPay資金調達」は、加盟店が将来のPayPay売上を先に受け取れる招待制のサービス。担保・保証・書類提出は不要で、審査は決済データをもとにした機械学習モデルが数秒で判断します。
個人商店のオーナーにとって、資金調達は面倒で、怖くて、後回しにするものでした。仕組みは新しくても、金融の知識がない人がスマホの小さな画面で、店番の合間に理解して決断できなければ意味がない。30件超のヒアリングから体験を組み直し、申し込みを11画面から2ステップに畳みました。
Impact
事業計画の約5倍の
ペースで利用が拡大
申し込みから数分で
入金まで完了する体験を実現
構想からわずか9ヶ月で
サービスをリリース
PROBLEM
必要なときに、必要な資金をすぐに調達できない。
急な資金ニーズに対して、従来の資金調達は「時間・手間・不安」が大きな壁になっていました。設備が壊れた翌日に必要なお金が、書類を揃え、審査を待ち、届くのは2週間後。しかも毎月固定額の返済が、売上の少ない月にも重くのしかかる。
一般的な融資のフロー
TRIGGER
急な出費が発生
冷蔵庫の故障、仕入れの前倒し——「今すぐ資金が必要」
STEP 01
書類準備
決算書・事業計画・担保の確認
STEP 02
審査
結果が出るまで数日〜数週間
STEP 03
入金待ち
必要だった日から2週間後に着金
STEP 04
固定返済
売上が落ちた月も、同じ金額を返し続ける
PAIN POINTS
Time-consuming
必要な日に間に合わない
Complex
申し込みまでの準備が重い
Uncertain
返済への不安が残り続ける
HYPOTHESIS
決済データから将来の売上を予測し、それを前もって受け取れる仕組みにすれば、
即時入金の体験によって、加盟店の資金繰りはもっと楽になるのではないか。
RESEARCH
実際の加盟店にインタビューを実施
チームの誰も「誰がどう嬉しいのか」を具体的に語れない状態からのスタートでした。メインターゲットになる個店の加盟店19件に、資金管理の実態、少額の資金ニーズがあるか、そしてプロトタイプを操作してサービスをどう理解するかを聞きました。
対象
個人経営の加盟店19件
方法
オンライン14件 / オフライン5件
インタビュー結果をプロジェクト内で分析
加盟店の声から、提供価値を考える
DESIGN
3つの基準と、設計の判断
インサイトを判断基準に翻訳し、迷ったときに立ち返れる3つの原則を置きました。そのうえで、体験の質を左右した判断を行っています。
とにかく操作を減らす
店を回しながら使うもの。決めることも入力することも、極限まで削る
金融用語を使わない
専門知識がなくても分かるように、普段の言葉だけで書く
不利な情報を先に出す
手数料や精算条件を後半に隠さない。それが信頼につながる
サービスに興味を持たせる
- 今自分のお店がいくら調達できるのかが一目でわかる
- 即入金の魅力が伝わる
- サービスの仕組みがわかる
とことんシームレスなUX
- 最小のステップで申請できる
- 情報を最小限に抑え、重要な場所にフォーカスできる
支払いのイメージを、その場で掴める
- 支払いシミュレーションが一目でわかる
- 安心感を与える
申請後の状況が、いつでも確認できる
- 申請ステータスや、支払い状況が直感的にわかる
- 未来の売り上げを予測し、支払い予定がわかる
全体のフロー図
IMPACT
「必要なときに使う手段」として定着してきている
2024年3月にリリース。申し込み件数は事業計画の想定を大きく上回り、一度使ったオーナーがリピートして利用するケースも増えてきています。単発の資金調達ではなく「必要なときに使う手段」として定着してきています。
ビジネスチーム、PM、デザイナー、Tech、Legalチームが一丸となり、構想からリリースまで9ヶ月で実施できました。
LEARNING
「使われた」の次に、「使えなかった人」を見る
制約の多い金融領域では、UIの美しさよりも「関係者全員が同じユーザー像を見ていること」が前に進む力になりました。一方でリリース後の数字を見ると、条件確認の画面で判断できずに離脱する人がいること、そもそも機能の存在に気づかないまま資金が必要な時期を過ぎてしまう加盟店がいることが見えてきました。提示された金額の根拠をどう伝えるか、あと何を満たせば使えるのかを平常時からどう可視化するか、次に取り組むのはこの2つです。